川崎病冠動脈障害後遺症症例の服薬状況

川崎病冠動脈障害後遺症症例は冠動脈瘤内血栓形成予防等のために抗血栓剤等の服用が必要である。しかし後遺症症例は無症状であることなどで, 忘れずに服薬を続けることは難しい。今回当科で加療中の患者94例の服薬状況を知るために, 第1段階として1年間の投薬日数を調査した。投薬日数が366日あったものは64%, 300日から395日が14%, 300日未満のいわゆる怠薬例は22%であった。年齢別に見ると年齢が長ずるにつれて投薬日数は減少し, 特に中学生以上が悪かった。冠動脈障害別に見ると障害が軽いいほど悪かったが, 最重症例でも怠薬例も見られた。実際の服薬日数は投薬日数より少ないので, 医師の服薬コンプ...

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Published in日本循環器管理研究協議会雑誌 Vol. 30; no. 2; pp. 77 - 82
Main Authors 大川, 澄男, 今田, 義夫, 土屋, 恵司, 薗部, 友良, 麻生, 誠二郎, 片岡, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本循環器管理研究協議会 20.10.1995
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ISSN0914-7284
DOI10.11381/jjcdp1974.30.77

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Summary:川崎病冠動脈障害後遺症症例は冠動脈瘤内血栓形成予防等のために抗血栓剤等の服用が必要である。しかし後遺症症例は無症状であることなどで, 忘れずに服薬を続けることは難しい。今回当科で加療中の患者94例の服薬状況を知るために, 第1段階として1年間の投薬日数を調査した。投薬日数が366日あったものは64%, 300日から395日が14%, 300日未満のいわゆる怠薬例は22%であった。年齢別に見ると年齢が長ずるにつれて投薬日数は減少し, 特に中学生以上が悪かった。冠動脈障害別に見ると障害が軽いいほど悪かったが, 最重症例でも怠薬例も見られた。実際の服薬日数は投薬日数より少ないので, 医師の服薬コンプライアンスに対する認識を高めることや, 両親や患者への疾病・健康教育, 特に年少児からの教育の充実など一層の対応が必要と思われた。
ISSN:0914-7284
DOI:10.11381/jjcdp1974.30.77