Arterioportal fistula syndrome による大量腹水を伴った胃gastrointestinal stromal tumorの1例
Arterioportal fistula syndrome(以下, APFs)による大量腹水を伴った胃gastrointestinalstromal tumor(以下, GIST)の症例を経験したので報告する.患者は85歳の男性で, 腹部膨満を主訴に来院した.腹部造影CTにおいて著明な腹水貯留と胃小彎に約10cmの腫瘍を認め, 怒張したドレナージ静脈が門脈に合流していた.動脈相で血管像を構築すると, ドレナージ静脈合流部より肝側の門脈が造影されており, 腫瘍が動静脈シャントとなり, 門脈血流の過負荷を引き起こし, 腹水貯留を来したことが推定され, APFsに相当した.2006年2月, 胃全摘...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 293 - 298 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2008
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.41.293 |
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Summary: | Arterioportal fistula syndrome(以下, APFs)による大量腹水を伴った胃gastrointestinalstromal tumor(以下, GIST)の症例を経験したので報告する.患者は85歳の男性で, 腹部膨満を主訴に来院した.腹部造影CTにおいて著明な腹水貯留と胃小彎に約10cmの腫瘍を認め, 怒張したドレナージ静脈が門脈に合流していた.動脈相で血管像を構築すると, ドレナージ静脈合流部より肝側の門脈が造影されており, 腫瘍が動静脈シャントとなり, 門脈血流の過負荷を引き起こし, 腹水貯留を来したことが推定され, APFsに相当した.2006年2月, 胃全摘術を施行した.病理組織学的検査所見では, 胃GIST, uncommitted type, 高リスク群と診断された.術後12 か月の現在, 腹水再貯留や再発を認めてない.Web検索上, GISTに合併したAPFs報告例は存在せず, 初の症例報告と考えられた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.293 |