MICSにおける体外循環法の検討

低侵襲小切開心臓手術(MICS)は,最近多くの施設で導入されてきている。この手術は,術後の疼痛の減少や,早期の回復,美容上の問題でも患者の満足感が得られるものとなっている。当院でも,長さ6~8cm程度の右傍胸骨小切開法や胸骨横切開法などを用いた開心術を行っている。それに伴う体外循環も,手術手技上の工夫を加えつつ,種々の疾患,成人,小児に対して行ってきた。症例によっては困難とされるIVCのテーピングは,ループ状に加工したガイドワイヤーを用いて行い,VSD高位欠損例ではオクルージョンバルーン付きの脱血カニューレを用い対応した。また,IVCへの力ニュレーションでは視野の妨げになる場合には,大腿静脈よ...

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Published in体外循環技術 Vol. 26; no. 1; pp. 60 - 63
Main Authors 秋保, 信彦, 伊藤, 雅敏, 安田, 耕一, 東郷, 孝男, 小田, 克彦, 佐藤, 成和, 佐藤, 尚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.02.1999
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.26.60

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Summary:低侵襲小切開心臓手術(MICS)は,最近多くの施設で導入されてきている。この手術は,術後の疼痛の減少や,早期の回復,美容上の問題でも患者の満足感が得られるものとなっている。当院でも,長さ6~8cm程度の右傍胸骨小切開法や胸骨横切開法などを用いた開心術を行っている。それに伴う体外循環も,手術手技上の工夫を加えつつ,種々の疾患,成人,小児に対して行ってきた。症例によっては困難とされるIVCのテーピングは,ループ状に加工したガイドワイヤーを用いて行い,VSD高位欠損例ではオクルージョンバルーン付きの脱血カニューレを用い対応した。また,IVCへの力ニュレーションでは視野の妨げになる場合には,大腿静脈よりPCPS用ロングカニューレにて脱血を行った。このように,我々はMICSにおける体外循環法として,できるだけ胸骨正中切開と同様の脱血部位とカニューレサイズを選択することを原則としてきた。その結果,回路変更や脱血にポンプなどを使用しなくても落差のみで十分な脱血量が得られ,安定した体外循環を行うことができた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.26.60