体プレチスモグラフによる安静呼吸時気道抵抗連続測定法について

DuBois が発表した気道抵抗の測定法は panting 呼吸によるもので, 呼吸障害のある患者には測定困難であり, また自然な呼吸状態における気道抵抗とは異なるものであった. そこでわれわれは体プレチスモグラフを用いて, 安静呼吸状態においても気道抵抗を測定できる装置を作製した. これを用いて, 健常者7名, 慢性閉塞性肺疾患患者8名について, 安静呼吸状態で気道抵抗を測定した. また安静呼吸状態において, 呼吸曲線と同時に肺胞内圧曲線と気道抵抗曲線を描画することができた. 健常者と COPD 患者について気道抵抗の最高値をとると, 吸気時より呼気時のほうが高い傾向を認めた. 安静呼吸時の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 25; no. 9; pp. 951 - 958
Main Authors 市岡, 正彦, 嶋瀬, 順二, 松木, 健一, 千田, 守, 谷合, 哲, 武内, 重五郎, 宮里, 逸郎, 境野, 博久, 月本, 光一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1987
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.25.951

Cover

More Information
Summary:DuBois が発表した気道抵抗の測定法は panting 呼吸によるもので, 呼吸障害のある患者には測定困難であり, また自然な呼吸状態における気道抵抗とは異なるものであった. そこでわれわれは体プレチスモグラフを用いて, 安静呼吸状態においても気道抵抗を測定できる装置を作製した. これを用いて, 健常者7名, 慢性閉塞性肺疾患患者8名について, 安静呼吸状態で気道抵抗を測定した. また安静呼吸状態において, 呼吸曲線と同時に肺胞内圧曲線と気道抵抗曲線を描画することができた. 健常者と COPD 患者について気道抵抗の最高値をとると, 吸気時より呼気時のほうが高い傾向を認めた. 安静呼吸時の気道抵抗は健常者よりCOPD患者に有意の高値を認めた. 安静呼吸時気道抵抗とDuBois法による気道抵抗の値はr=0.905の高い相関を認めた. 本法は安静状態で測定でき, 息切れのある呼吸器疾患患者や老人でも容易に測定でき, 信頼性のある有用な方法と考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.25.951