消化器外科手術後における栄養管理指標の検討
上・下部消化管手術後に中心静脈栄養による管理を行った症例において諸種の栄養状態の指標と窒素平衡 (N.B.) との相関 (r) を検討し, 短期間における適切な評価指数について検索した.血清総蛋白値 (r=0.393, p<0.01) ・トランスフェリン (r=0.358, p<0.02) ・Δレチノール結合蛋白 (RBP) (r=0.493, p<0.01) は術後7日目に1週間の平均N.B.との間に相関をみたが, アルブミン・プレアルブミン・総コレステロール・末梢血総リンパ球・クレアチニン身長指数・身体計測は相関しなかった.尿中3-methylhistidine (3Me...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 3; pp. 842 - 849 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
1992
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.25.842 |
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Summary: | 上・下部消化管手術後に中心静脈栄養による管理を行った症例において諸種の栄養状態の指標と窒素平衡 (N.B.) との相関 (r) を検討し, 短期間における適切な評価指数について検索した.血清総蛋白値 (r=0.393, p<0.01) ・トランスフェリン (r=0.358, p<0.02) ・Δレチノール結合蛋白 (RBP) (r=0.493, p<0.01) は術後7日目に1週間の平均N.B.との間に相関をみたが, アルブミン・プレアルブミン・総コレステロール・末梢血総リンパ球・クレアチニン身長指数・身体計測は相関しなかった.尿中3-methylhistidine (3Mehis) 排泄量はN.B.との間に有意の負の相関を示したが (r=-0.494, p<0.01), 3Mehis/クレアチニン比では相関はなかった.半減期が12時間と短いRBPは術後3日目にも相関があり (r=0.367, p<0.05), 侵襲からの立ち上がりを鋭敏にとらえており, 筋蛋白崩壊を反映する3Mehisとともに術後の病態代謝を把握し適切な栄養管理を行う上で有意義な指標であると思われた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.25.842 |