アシクロビルのモルモット気管平滑筋に対する直接作用の検討

最近, 抗ウイルス剤であるアシクロビルがアスピリン喘息 (AIA) 患者のアスピリン感受性を減弱させることが報告されている. AIA患者に特定のウイルスが感染している証拠もなく, 現時点ではアシクロビルの効果の機序は不明である. 我々は, アシクロビルが気道平滑筋に直接作用する可能性を考え, アシクロビルの気道平滑筋収縮・弛緩作用, 種々の薬剤に対する気道反応の修飾作用の有無を, モルモット気管条片を用いて in vitro で検討した. アシクロビルはモルモットの気管平滑筋基礎張力に対して影響を与えなかった. また, LTD4, カルバコール, KClによる収縮反応, PGE2による弛緩反応...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 33; no. 7; pp. 728 - 732
Main Authors 棟方, 充, 南須原, 康行, 川上, 義和, 本間, 行彦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.07.1995
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.33.728

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Summary:最近, 抗ウイルス剤であるアシクロビルがアスピリン喘息 (AIA) 患者のアスピリン感受性を減弱させることが報告されている. AIA患者に特定のウイルスが感染している証拠もなく, 現時点ではアシクロビルの効果の機序は不明である. 我々は, アシクロビルが気道平滑筋に直接作用する可能性を考え, アシクロビルの気道平滑筋収縮・弛緩作用, 種々の薬剤に対する気道反応の修飾作用の有無を, モルモット気管条片を用いて in vitro で検討した. アシクロビルはモルモットの気管平滑筋基礎張力に対して影響を与えなかった. また, LTD4, カルバコール, KClによる収縮反応, PGE2による弛緩反応にも影響を与えなかった. これらの結果から, アシクロビルには, 気道平滑筋に対する直接作用はないと結論された.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.33.728