乳腺転移, 上行結腸浸潤および右腎浸潤を伴った後腹膜脂肪肉腫の1切除例
症例は74歳の女性で, 2007年4月右側腹部痛および右乳房腫瘤を自覚して近医を受診し右腎の異常を指摘され, 精査加療目的で当院紹介となった. 腹部CTで右腎周囲右腎中下極側に境界不明瞭な腫瘤性病変を認めた. 注腸透視検査では同腫瘤は上行結腸を一部圧排していた. マンモグラフィー, 乳腺超音波検査で右乳腺C領域に一部の辺縁不整な腫瘤を認め, 針生険ではlow grade malignant potentialのある腫瘍が疑われた. 術前に確定診断は得られず, 間葉系腫瘍として摘出することとし, 2007年5月経腹的後腹膜腫瘍, 右腎摘出, 上行結腸部分合併切除術, 右乳房腫瘤を含めた右乳房部分...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 4; pp. 452 - 457 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.41.452 |
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Summary: | 症例は74歳の女性で, 2007年4月右側腹部痛および右乳房腫瘤を自覚して近医を受診し右腎の異常を指摘され, 精査加療目的で当院紹介となった. 腹部CTで右腎周囲右腎中下極側に境界不明瞭な腫瘤性病変を認めた. 注腸透視検査では同腫瘤は上行結腸を一部圧排していた. マンモグラフィー, 乳腺超音波検査で右乳腺C領域に一部の辺縁不整な腫瘤を認め, 針生険ではlow grade malignant potentialのある腫瘍が疑われた. 術前に確定診断は得られず, 間葉系腫瘍として摘出することとし, 2007年5月経腹的後腹膜腫瘍, 右腎摘出, 上行結腸部分合併切除術, 右乳房腫瘤を含めた右乳房部分切除術を施行した. 病理組織学的には多形型脂肪肉腫であり, 結腸壁への浸潤を認め, 乳腺腫瘤も同様の腫瘍細胞が増生しており乳腺転移が疑われた. 術後経過は良好で退院となった. 乳腺転移と結腸浸潤を伴った脂肪肉腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.452 |