新しい基準電極装置を用いた経脈電気抵抗値測定に関する研究 証の画像表現分析

<目的>証の客観的評価を目的として,筆者らは正経12経脈の電気抵抗値を正確に測定する新たな方法を開発したので報告する。 <方法>外来患者259名を対象にして,筆者らによる三点方式電気抵抗値計測装置を用いて経脈電気抵抗値(Rm)を測定した。ついで高Rm値を呈した経脈の検討,Rmと年齢との相関,東洋医学的病態における検討を行った。 <結果> 1)Rm値300kΩ以上の高値を呈した経脈は,50歳未満では女の胆経のみであったが,50歳以上の女では胆経,肝経,胃経,脾経,心経,膀胱経,腎経で,さらに男では肺経,女子では小腸経が含まれた。 2)Rm値と年齢との間に相関を認めた経脈は,男では,50歳未満の肺...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 59; no. 5; pp. 739 - 744
Main Authors 下津浦, 康裕, 無敵, 剛介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2008
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.59.739

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Summary:<目的>証の客観的評価を目的として,筆者らは正経12経脈の電気抵抗値を正確に測定する新たな方法を開発したので報告する。 <方法>外来患者259名を対象にして,筆者らによる三点方式電気抵抗値計測装置を用いて経脈電気抵抗値(Rm)を測定した。ついで高Rm値を呈した経脈の検討,Rmと年齢との相関,東洋医学的病態における検討を行った。 <結果> 1)Rm値300kΩ以上の高値を呈した経脈は,50歳未満では女の胆経のみであったが,50歳以上の女では胆経,肝経,胃経,脾経,心経,膀胱経,腎経で,さらに男では肺経,女子では小腸経が含まれた。 2)Rm値と年齢との間に相関を認めた経脈は,男では,50歳未満の肺経,大腸経,小腸経だけであった。女では50歳未満の胃経,脾経,心経,膀胱経,および50歳以上の胃経であった。 3)東洋医学的病態別に,Rm値と年齢に相関を認めた経脈は気虚症例が男0経,女10経と多く,血虚症例では男4経,女2経と少なかったが,お血症例では男8経,女2経であった。 <考察および結語>Rm値の東洋医学的意義は「血」より「気」の病態を反映していることが推測された。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.59.739