S状結腸間膜内ヘルニアの1例

症例は59歳の男性. 突然の下腹部痛にて近医受診. 手術歴や外傷はなかったが腸閉塞の診断で入院となった. 保存的治療にて軽快しないため当院転院となる. 小腸造影でTreitz靭帯より約100cmおよび120cmの小腸に腸管外からの圧排と思われる狭窄像を認め, この間がループ状となっており内ヘルニアを強く疑い症状発生より34日目に開腹手術施行した. S状結腸間膜右葉に3cmの欠損を認め, 間膜内に小腸が約15cm嵌頓しておりS 状結腸間膜内ヘルニアと診断した. 嵌頓小腸を還納し, 間膜欠損部を閉鎖し手術終了した. S状結腸間膜内ヘルニアはまれな疾患で本邦での報告例は, 自験例を含め17例のみであ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 4; pp. 304 - 308
Main Authors 山口, 達郎, 大植, 雅之, 森, 武生, 高橋, 慶一, 片柳, 創
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2003
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.36.304

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Summary:症例は59歳の男性. 突然の下腹部痛にて近医受診. 手術歴や外傷はなかったが腸閉塞の診断で入院となった. 保存的治療にて軽快しないため当院転院となる. 小腸造影でTreitz靭帯より約100cmおよび120cmの小腸に腸管外からの圧排と思われる狭窄像を認め, この間がループ状となっており内ヘルニアを強く疑い症状発生より34日目に開腹手術施行した. S状結腸間膜右葉に3cmの欠損を認め, 間膜内に小腸が約15cm嵌頓しておりS 状結腸間膜内ヘルニアと診断した. 嵌頓小腸を還納し, 間膜欠損部を閉鎖し手術終了した. S状結腸間膜内ヘルニアはまれな疾患で本邦での報告例は, 自験例を含め17例のみであった. 手術歴のない腸閉塞症例は本疾患も念頭において精査すべきであると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.36.304