クローン病の2例 下血を主とする1例と内瘻を伴う腫瘤形成型の1例

我々は, 最近若年者のクローン病を2例経験した. 症例1は下血と貧血を主訴として来院. 注腸透視と大腸フアイバーの所見より, クローン病の診断のもとに, 回腸末端を含めた結腸右半切除が施行された. なお剔出標本にてcobblestone appearanceが認められ, 組織学的に非乾酪性肉芽腫が証明された. 症例2は, 下腹部腫瘤と腹部の激痛を主訴として来院. 限局性腹膜炎の診断のもとに緊急開腹術を施行したところ, 回盲部は肥厚し, 回腸は互いに瘻孔を形成して一塊となつていた. ここではじめて, 内瘻を伴う腫瘤形成型のクローン病が疑われ, 回腸末端を含む結腸右半切除術が施行された. 剔出標本...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 39; no. 10; pp. 879 - 882
Main Authors 隠岐, 公二, 鳥山, 皓, 大藪, 久則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.10.1985
医療同好会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:我々は, 最近若年者のクローン病を2例経験した. 症例1は下血と貧血を主訴として来院. 注腸透視と大腸フアイバーの所見より, クローン病の診断のもとに, 回腸末端を含めた結腸右半切除が施行された. なお剔出標本にてcobblestone appearanceが認められ, 組織学的に非乾酪性肉芽腫が証明された. 症例2は, 下腹部腫瘤と腹部の激痛を主訴として来院. 限局性腹膜炎の診断のもとに緊急開腹術を施行したところ, 回盲部は肥厚し, 回腸は互いに瘻孔を形成して一塊となつていた. ここではじめて, 内瘻を伴う腫瘤形成型のクローン病が疑われ, 回腸末端を含む結腸右半切除術が施行された. 剔出標本にてcobblestone appearanceが認められ, 組織学的に非乾酪性肉芽腫が証明された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.39.879