二段階口蓋形成手術法を施行した片側性唇顎口蓋裂児の永久歯列弓形態 一段階法施行例および健常児との比較
Hotz床併用二段階口蓋形成手術法の顎発育に対する長期成績を評価することを目的に,本法で治療した片側性唇顎口蓋裂の男児12名(二段階法群)と,比較のために一段階法を施行した片側性唇顎口蓋裂の男児10名(一段階法群)および健常男児10名(健常群)の計32名を対象とし,歯齢皿Cにおける永久歯列模型(二段階法群:平均年齢12.5歳,一段階法群:平均年齢12.8歳,健常群:平均年齢12.3歳)を用いて,幅径に関して9項目,長径に関して7項目の距離計測を行った。また交叉咬合の有無についても観察した。 その結果, 1.二段階法群は健常群と比較して,上顎犬歯間幅径のみが有意に小さく,それ以外の項目では差は認...
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Published in | 日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 36 - 44 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口蓋裂学会
29.02.2000
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Subjects | |
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ISSN | 0386-5185 2186-5701 |
DOI | 10.11224/cleftpalate1976.25.1_36 |
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Summary: | Hotz床併用二段階口蓋形成手術法の顎発育に対する長期成績を評価することを目的に,本法で治療した片側性唇顎口蓋裂の男児12名(二段階法群)と,比較のために一段階法を施行した片側性唇顎口蓋裂の男児10名(一段階法群)および健常男児10名(健常群)の計32名を対象とし,歯齢皿Cにおける永久歯列模型(二段階法群:平均年齢12.5歳,一段階法群:平均年齢12.8歳,健常群:平均年齢12.3歳)を用いて,幅径に関して9項目,長径に関して7項目の距離計測を行った。また交叉咬合の有無についても観察した。 その結果, 1.二段階法群は健常群と比較して,上顎犬歯間幅径のみが有意に小さく,それ以外の項目では差は認められなかった。 2.二段階法群は一段階法群と比較して,上顎歯列弓幅径ならびに長径ともに有意に大きい値を示した。 3.二段階法群では12名中9名,75%が交叉咬合のない良好な上下顎関係であったのに対し,一段階法群では全例に交叉咬合が認められた。 以上より,Hotz床併用二段階口蓋形成手術法は顎発育障害を回避し,永久歯列でも健常児と同様な良好な咬合関係を呈することが明らかになった。 |
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ISSN: | 0386-5185 2186-5701 |
DOI: | 10.11224/cleftpalate1976.25.1_36 |