生体膜/界面活性剤相互作用に対する白樺エキスの効果

近年, 皮膚にマイルドな化粧品が望まれている。そこで化粧品の刺激を抑制する天然物を得ることを目的に, 各種植物抽出液を, 3D-ヒストカルチャー, モルモット刺激試験および赤血球膜溶血試験で評価した。 その結果, 白樺エキス中のいろいろな溶媒抽出がSDSによる皮膚刺激反応を低下させることがわかった。中でも酢酸エチル画分が高い効果を示した。酢酸エチル画分を8成分に分画し, その成分を評価したところ3種類の疎水的なトリテルペン誘導体に高い赤血球膜溶血抑制効果を有することがわかった。これらトリテルペン誘導体3成分は比較的高い疎水面をもつことから, ある疎水性の高さが, 溶血抑制メカニズムに重要な役割...

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Published in日本化粧品技術者会誌 Vol. 31; no. 1; pp. 52 - 58
Main Authors 宇田川, 昭洋, 西田, 勇一, 石田, 恵一郎, 吉本, 恵, 平山, 豊, 野口, 睦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本化粧品技術者会 20.03.1997
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ISSN0387-5253
1884-4146
DOI10.5107/sccj.31.52

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Summary:近年, 皮膚にマイルドな化粧品が望まれている。そこで化粧品の刺激を抑制する天然物を得ることを目的に, 各種植物抽出液を, 3D-ヒストカルチャー, モルモット刺激試験および赤血球膜溶血試験で評価した。 その結果, 白樺エキス中のいろいろな溶媒抽出がSDSによる皮膚刺激反応を低下させることがわかった。中でも酢酸エチル画分が高い効果を示した。酢酸エチル画分を8成分に分画し, その成分を評価したところ3種類の疎水的なトリテルペン誘導体に高い赤血球膜溶血抑制効果を有することがわかった。これらトリテルペン誘導体3成分は比較的高い疎水面をもつことから, ある疎水性の高さが, 溶血抑制メカニズムに重要な役割を果たしていると推定した。
ISSN:0387-5253
1884-4146
DOI:10.5107/sccj.31.52