腱板広範囲断裂に対する Patch 法の治療成績

「はじめに」腱板小断裂および中断裂の手術療法については, McLaughlin法により安定した成績を得ることができる. 広範囲断裂については, 腱板の中枢断端の厚さが保たれており, しかも中枢断端を引き出せるような症例ではMcLaughlin法にて修復することが可能である. しかし中枢断端がわずかしか引き出せない症例や, 変性が高度で腱板の腱性部分がほとんどない症例ではその修復は困難となる. McLaughlin法以外にも, 三角筋腱板縫合法, 僧帽筋移行術, 小円筋移行術, 広背筋移行術, Patch法など種々の手術法が試みられている1)5). 当科では2000年8月以降, 一次修復が不可能...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; pp. 394 - 397
Main Authors 森澤, 佳三, 平野, 真子, 菊川, 憲志, 國武, 克彦, 原田, 正孝, 瀬形, 建喜, 上園, 英嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.394

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Summary:「はじめに」腱板小断裂および中断裂の手術療法については, McLaughlin法により安定した成績を得ることができる. 広範囲断裂については, 腱板の中枢断端の厚さが保たれており, しかも中枢断端を引き出せるような症例ではMcLaughlin法にて修復することが可能である. しかし中枢断端がわずかしか引き出せない症例や, 変性が高度で腱板の腱性部分がほとんどない症例ではその修復は困難となる. McLaughlin法以外にも, 三角筋腱板縫合法, 僧帽筋移行術, 小円筋移行術, 広背筋移行術, Patch法など種々の手術法が試みられている1)5). 当科では2000年8月以降, 一次修復が不可能な腱板広範囲断裂症例においては自家大腿筋膜を用いたPatch法を行っており良好な成績を得たので報告する. 対象と方法 症例は2000年8月から2002年11月まで, 腱板広範囲断裂にてPatch法を施行した7例7肩である. 男性6例, 女性1例, 手術時平均年齢56.7歳(47-74歳), 平均罹病期間は2年3ケ月であった. 受傷機転として交通事故1例, 投球動作によるもの1例, 重量物運搬に際し生じたもの1例, 軽作業1例であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.394