大気中ダイオキシン類の発生源寄与推定方法の検討 Positive Matrix Factorization法及びChemical Mass Balance法の適用

ダイオキシン類の発生源寄与を推定するためにリセプターモデルであるPositive Matrix Factorization (PMF) 法及びChemical Mass Balance (CMB) 法を適用した。解析の対象としたのは, 1999年から2004年までに福岡県で採取された大気試料210件である。PMF法によって, 発生源として廃棄物焼却施設, PCB, 農薬PCP, CNPの4つが推定され, それぞれの平均寄与率は, 廃棄物焼却施設21%, PCB35%, 農薬PCP27%, 農薬CNP16%となった。PMF法による発生源プロファイルを実測発生源データと比較したところ, PCB,...

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Published in環境化学 Vol. 16; no. 3; pp. 403 - 413
Main Authors 岩本, 真二, 松枝, 隆彦, 大野, 健治, 飛石, 和大, 安武, 大輔, 桜木, 建治
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本環境化学会 29.09.2006
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Summary:ダイオキシン類の発生源寄与を推定するためにリセプターモデルであるPositive Matrix Factorization (PMF) 法及びChemical Mass Balance (CMB) 法を適用した。解析の対象としたのは, 1999年から2004年までに福岡県で採取された大気試料210件である。PMF法によって, 発生源として廃棄物焼却施設, PCB, 農薬PCP, CNPの4つが推定され, それぞれの平均寄与率は, 廃棄物焼却施設21%, PCB35%, 農薬PCP27%, 農薬CNP16%となった。PMF法による発生源プロファイルを実測発生源データと比較したところ, PCB, CNP, 廃棄物焼却施設で概ね類似したパターであったが, PCPでは若干異なっていた。PMF発生源プロファイルと実測発生源データを組み合わせて, CMB法により発生源寄与を計算し, 個々のサンプルについて評価を比較した。その結果, 5つのケースで評価を満たす結果が多かったが, その中でもPCBにのみPMFプロファイルを使ったケースが最も適当と考えられた。これらの発生源データを使った発生源寄与率は, 廃棄物焼却施設40%, PCB44.1%, PCP2.1%, CNP7.2%であった。
ISSN:0917-2408
1882-5818
DOI:10.5985/jec.16.403