生涯乳がん検診プラン作成に向けて マンモグラフィ&超音波検査併用検診の成績から

栃木県保健衛生事業団では2000年度から2006年度の7年間でマンモグラフィ(MMG)と超音波検査(US)併用検診を延べ115,444名に実施し,確定癌は285例,発見率は0.25%であった。要精検率は年々上昇し,2006年度は11.6%となった。MMGにおいては当初より過去画像を参照していたが,USも2007年度より過去画像との参照が可能となり,この結果2008年度は8.0%(MMG 4.2%,US 4.7%)と減少した。検診機関として把握できた精検受診率は,2005年度以後は75%前後と低く,精度管理上問題となっている。確定癌を検査法別にみると,両者での検出は155例(55%),MMGのみ...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 18; no. 2; pp. 142 - 149
Main Authors 森久保, 寛, 渡邉, 朋子, 黒川, 徳子, 斎藤, シズ子, 市村, みゆき, 神尾, 恵子, 伊藤, 登, 鈴木, 有美, 大窪, 英明, 中村, 好宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 30.06.2009
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.18.142

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Summary:栃木県保健衛生事業団では2000年度から2006年度の7年間でマンモグラフィ(MMG)と超音波検査(US)併用検診を延べ115,444名に実施し,確定癌は285例,発見率は0.25%であった。要精検率は年々上昇し,2006年度は11.6%となった。MMGにおいては当初より過去画像を参照していたが,USも2007年度より過去画像との参照が可能となり,この結果2008年度は8.0%(MMG 4.2%,US 4.7%)と減少した。検診機関として把握できた精検受診率は,2005年度以後は75%前後と低く,精度管理上問題となっている。確定癌を検査法別にみると,両者での検出は155例(55%),MMGのみは81例(28%),USのみは49例(17%)であった。TNM分類の病期0,I期割合は78%,病理学的リンパ節(n)転移割合は21%であった。年代別にみると,60歳代と70歳以上ではMMGの検出率が有意に高く,40歳代と50歳代では有意差はなかった。乳房の構成を5段階に分類し,検査法別にみると,脂肪性と乳腺散在-2でMMGの検出率がUSより有意に高かった。この結果から40歳代と50歳代および不均一高濃度と乳腺散在-1ではMMGとUSが補完的に機能しており,この年代や乳房の構成では両者の併用が望ましいと考えられた。マンモグラフィ検診が導入され9年が経過したが,効果的・効率的に検診を実施するための仕組づくりや検証を今後もさらに進めていく必要があると考える。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.18.142