右中縦隔に発生した心膜憩室の2切除例
右中縦隔に発生した心膜憩室の2切除例を経験した.2例とも術前に診断はつかなかったが, 術中に嚢胞と心嚢間に交通を認めたことから, 心膜憩室と診断した.いずれも上行大動脈の心膜飜転部より発生していた.心膜由来の嚢胞性疾患は右心横隔膜角部に好発するというのが一般的であったが, 心膜憩室の本邦報告例では59%が右上縦隔ないし右中縦隔に発生し, その大半が上大静脈と奇静脈に囲まれた部位, いわゆる “cephalad recess of azygos vein” に存在し, 注目すべき好発部位と考えられた.同部に発生した嚢胞性腫瘤では, 常に心膜憩室を念頭におくべきである....
Saved in:
Published in | 北関東医学 Vol. 43; no. 6; pp. 691 - 697 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
北関東医学会
01.11.1993
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0023-1908 1883-6135 |
DOI | 10.2974/kmj1951.43.691 |
Cover
Summary: | 右中縦隔に発生した心膜憩室の2切除例を経験した.2例とも術前に診断はつかなかったが, 術中に嚢胞と心嚢間に交通を認めたことから, 心膜憩室と診断した.いずれも上行大動脈の心膜飜転部より発生していた.心膜由来の嚢胞性疾患は右心横隔膜角部に好発するというのが一般的であったが, 心膜憩室の本邦報告例では59%が右上縦隔ないし右中縦隔に発生し, その大半が上大静脈と奇静脈に囲まれた部位, いわゆる “cephalad recess of azygos vein” に存在し, 注目すべき好発部位と考えられた.同部に発生した嚢胞性腫瘤では, 常に心膜憩室を念頭におくべきである. |
---|---|
ISSN: | 0023-1908 1883-6135 |
DOI: | 10.2974/kmj1951.43.691 |