下血にて発見された小腸カルチノイドの1切除例

症例は45歳の男性で,繰り返す下血を主訴に精査加療目的にて来院した.下部消化管内視鏡施行時に小腸からの出血を疑われ,小腸全体の精査および加療目的で2008年6月内科を紹介受診した.カプセル内視鏡および経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡でBauhin弁より1.5m程口側に陥凹面を形成する粘膜下腫瘍様病変を認めた.生検で腺癌が認められたため,原発性小腸癌の術前診断で回腸部分切除術を施行した.切除標本の肉眼所見で表面に陥凹を有する1.2×0.8cmの黄色の隆起性病変を認め,病理組織学的検査所見で回腸カルチノイドと診断された.本邦では回腸カルチノイドはまれであり,若干の文献的検討を加え,報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 10; pp. 1300 - 1305
Main Authors 磯崎, 由佳, 大平, 学, 宮内, 英聡, 首藤, 潔彦, 夏目, 俊之, 成島, 一夫, 碓井, 麻美, 斎藤, 洋茂, 太田, 拓実, 松原, 久裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.10.2011
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Summary:症例は45歳の男性で,繰り返す下血を主訴に精査加療目的にて来院した.下部消化管内視鏡施行時に小腸からの出血を疑われ,小腸全体の精査および加療目的で2008年6月内科を紹介受診した.カプセル内視鏡および経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡でBauhin弁より1.5m程口側に陥凹面を形成する粘膜下腫瘍様病変を認めた.生検で腺癌が認められたため,原発性小腸癌の術前診断で回腸部分切除術を施行した.切除標本の肉眼所見で表面に陥凹を有する1.2×0.8cmの黄色の隆起性病変を認め,病理組織学的検査所見で回腸カルチノイドと診断された.本邦では回腸カルチノイドはまれであり,若干の文献的検討を加え,報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.1300