職域での胃癌検診におけるペプシノゲン測定によるスクリーニングについての検討

某職域の35歳以上1, 635人 (男96.5%) を対象としてペプシノゲン法による胃癌スクリーニングについて検討した。方法, 従来の胃検診と併用して実施した。ペプシノゲン値は1は70ng/ml以下かつIとIIの比は3以下を陽性値とし内視鏡検査結果と対比した。結果, ペプシノゲン陽性率は21.0%であった。3例の胃癌と2例の腺腫が発見され胃癌例は全てペプシノゲン陽性であった。うち, 1例は間接造影検査では発見されず本法で陽性, 1例は3年間従来の胃検診を未受検であったが本法で強陽性で発見された。3例中2例はペプシノゲン測定が発見のきっかけになったと考えられた。胃腺腫は2例中1例がペプシノゲン陽...

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Published in消化器集団検診 Vol. 36; no. 4; pp. 476 - 482
Main Authors 東納, 重隆, 木本, 賀之, 宮原, 透, 川口, 淳, 黒木, 雅彦, 岩下, 悦郎, 下屋, 正則, 金沢, 雅弘, 福島, 義隆, 小山, 洋, 中村, 直子, 笹木, 淳司, 伊藤, 和郎, 青野, 茂昭, 岩井, 淳浩, 永尾, 重昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器がん検診学会 15.07.1998
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ISSN0287-6132
2186-7313
DOI10.11404/jsgcs1982.36.4_476

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Summary:某職域の35歳以上1, 635人 (男96.5%) を対象としてペプシノゲン法による胃癌スクリーニングについて検討した。方法, 従来の胃検診と併用して実施した。ペプシノゲン値は1は70ng/ml以下かつIとIIの比は3以下を陽性値とし内視鏡検査結果と対比した。結果, ペプシノゲン陽性率は21.0%であった。3例の胃癌と2例の腺腫が発見され胃癌例は全てペプシノゲン陽性であった。うち, 1例は間接造影検査では発見されず本法で陽性, 1例は3年間従来の胃検診を未受検であったが本法で強陽性で発見された。3例中2例はペプシノゲン測定が発見のきっかけになったと考えられた。胃腺腫は2例中1例がペプシノゲン陽性であった。また, 外来胃癌症例の検討で11例中9例が陽性を示した。結論, ペプシノゲン法は胃癌スクリーニングに有用で, 特に従来の胃検診未受検例対策として有用となると思われた。
ISSN:0287-6132
2186-7313
DOI:10.11404/jsgcs1982.36.4_476