糖尿病患者のインスリン治療前後における体液量の変動とレニン・アルドステロン系

7名の糖尿病患者においてインスリン治療開始前後の体液量の変化及び他の因子との関係を検討した.血糖のコントールとともに, ヘマトクリットの低下, 細胞外液量と循環血漿量の増加を来し, 血漿レニン活性は有意に低下したが, 血漿アルドステロン濃度は有意な変化を示さなかった.この体液量の増加は, 尿糖による浸透圧利尿作用の減少とインスリンの腎でのナトリウム貯留作用によるものと考えられ, 血漿レニン活性の低下は体液量増加に反応したものと思われる....

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Published in北関東医学 Vol. 39; no. 2; pp. 261 - 266
Main Authors 殿岡, 幸子, 村田, 和彦, 高山, 嘉朗, 中村, 哲也, 酒巻, 哲夫, 八木, 温子, 湯浅, 和男, 市川, 秀一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.03.1989
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.39.261

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Summary:7名の糖尿病患者においてインスリン治療開始前後の体液量の変化及び他の因子との関係を検討した.血糖のコントールとともに, ヘマトクリットの低下, 細胞外液量と循環血漿量の増加を来し, 血漿レニン活性は有意に低下したが, 血漿アルドステロン濃度は有意な変化を示さなかった.この体液量の増加は, 尿糖による浸透圧利尿作用の減少とインスリンの腎でのナトリウム貯留作用によるものと考えられ, 血漿レニン活性の低下は体液量増加に反応したものと思われる.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.39.261