出血性胃潰瘍に対する緊急止血手術小切開開腹による直視下縫合止血術 小切開開腹による直視下縫合止血術

出血性胃潰瘍に対する治療は内視鏡的止血術が第一選択である.現在では内視鏡的エタノール注入やマイクロウェーブ凝固療法が主流となっている.これらの治療で止血される例も多いが, 一方では全く止血不能であったり, いったん止血しても再出血する事も少なくない.そのような内視鏡的止血不能例に対し, 従来は止血と潰瘍の原因治療を目的に幽門側胃切除が行われる場合が多かった.しかし薬物治療が進歩した現在では, 緊急手術は低侵襲で確実な止血が得られればよく, その目的で我々は小切開 (5cm) による開腹胃切開・潰瘍部直視下縫合止血術を行っている.1994年1月から現在まで, 内視鏡的止血不能例12例 (26~9...

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Published in北関東医学 Vol. 45; no. 6; pp. 551 - 555
Main Authors 佐藤, 尚文, 荒井, 清充, 高井, 良樹, 大嶋, 清宏, 武市, 卒之, 小林, 功, 宮本, 幸男, 饗場, 正明, 山田, 勲, 飯島, 耕作, 三ツ木, 禎尚, 長谷川, 紳治
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.11.1995
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.45.551

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Summary:出血性胃潰瘍に対する治療は内視鏡的止血術が第一選択である.現在では内視鏡的エタノール注入やマイクロウェーブ凝固療法が主流となっている.これらの治療で止血される例も多いが, 一方では全く止血不能であったり, いったん止血しても再出血する事も少なくない.そのような内視鏡的止血不能例に対し, 従来は止血と潰瘍の原因治療を目的に幽門側胃切除が行われる場合が多かった.しかし薬物治療が進歩した現在では, 緊急手術は低侵襲で確実な止血が得られればよく, その目的で我々は小切開 (5cm) による開腹胃切開・潰瘍部直視下縫合止血術を行っている.1994年1月から現在まで, 内視鏡的止血不能例12例 (26~91歳) に対して本手術を行ったが, 平均手術時間53分, 平均入院日数12日で全例元気で退院し, 再発を見ていない.本術式は極めて低侵襲で確実な止血が得られるため, 内視鏡的止血不能例には第一選択とすべき治療法であると考える.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.45.551