防府市での直接撮影法による胃部検診の経験

防府市では1986年より直接撮影法による胃部検診 (以下直接検診) が実施されるようになった。直接検診導入により受診者数は増加し受診率も上昇し, 直接検診が占める割合は1997年には81%となり, 胃癌検診の主体となった。要精検率は間接検診では8~14%であったが, 直接検診では開始時には27%と高率で間接撮影と同様の頻度となるまでに約10年を要した。胃癌発見率は直接検診と間接検診の間で特に差を認めなかった。当院受診者の要精検率は長く20%以上の高率であったが, 1996~97年の要精検率は当院では15.3%, 他の医療機関では13.4%であった。受診者の治療歴をみると, 導入当初は治療歴のあ...

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Published in消化器集団検診 Vol. 37; no. 5; pp. 478 - 485
Main Authors 南園, 義一, 三浦, 修, 長崎, 進, 川野, 豊一, 松崎, 圭祐, 戸田, 智博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器がん検診学会 15.09.1999
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ISSN0287-6132
2186-7313
DOI10.11404/jsgcs1982.37.5_478

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Summary:防府市では1986年より直接撮影法による胃部検診 (以下直接検診) が実施されるようになった。直接検診導入により受診者数は増加し受診率も上昇し, 直接検診が占める割合は1997年には81%となり, 胃癌検診の主体となった。要精検率は間接検診では8~14%であったが, 直接検診では開始時には27%と高率で間接撮影と同様の頻度となるまでに約10年を要した。胃癌発見率は直接検診と間接検診の間で特に差を認めなかった。当院受診者の要精検率は長く20%以上の高率であったが, 1996~97年の要精検率は当院では15.3%, 他の医療機関では13.4%であった。受診者の治療歴をみると, 導入当初は治療歴のある者が受診者の60%以上であったが, 1996年には10%, 1997年には16%であった。治療歴がある受診者の要精検率は22%で, 治療歴がない受診者の14.4%と比べ有意に高かった。
ISSN:0287-6132
2186-7313
DOI:10.11404/jsgcs1982.37.5_478