腫瘍壊死因子 (TNF) のショック誘発作用と各種薬剤の影響

腫瘍壊死因子 (TNF) をウィスター系ラットに投与しLD50を求めた.LD50は1.47mg・kg-1であった.LD80のTNFを投与すると著明な代謝性アシドーシス, ヘマトクリットの上昇, 逸脱酵素の上昇, 血清kの上昇がみられた.TNFによるショックに対しシクロオキシゲナーゼ合成阻害薬インドメサシンおよび血小板活性化因子拮抗薬CV-3988を前投与したところ5時間後の死亡率が有意に改善した.また代謝性アシドーシス, 逸脱酵素の遊離, 血清Kの上昇が抑制された.以上の結果よりTNFによるショックでは, プロスタグランディン系と血小板活性化因子が深く関与しているものと考えられた....

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Bibliographic Details
Published in北関東医学 Vol. 41; no. 6; pp. 845 - 851
Main Authors 荒井, 賢一, 藤田, 達士, 石埼, 恵二
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.11.1991
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.41.845

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Summary:腫瘍壊死因子 (TNF) をウィスター系ラットに投与しLD50を求めた.LD50は1.47mg・kg-1であった.LD80のTNFを投与すると著明な代謝性アシドーシス, ヘマトクリットの上昇, 逸脱酵素の上昇, 血清kの上昇がみられた.TNFによるショックに対しシクロオキシゲナーゼ合成阻害薬インドメサシンおよび血小板活性化因子拮抗薬CV-3988を前投与したところ5時間後の死亡率が有意に改善した.また代謝性アシドーシス, 逸脱酵素の遊離, 血清Kの上昇が抑制された.以上の結果よりTNFによるショックでは, プロスタグランディン系と血小板活性化因子が深く関与しているものと考えられた.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.41.845