便潜血検査とシグモイドスコピーを併用した大腸がん検診における効率的な検診間隔
欧米では大腸癌スクリーニングとして1年ごとの便潜血検査 (FOBT) と5年ごとのシグモイドスコピー (SCS) を勧告しているが, 検診間隔について十分な科学的根拠は示されていない。初回FOBTとSCS併用検診異常62,546人の2回目の検診結果をもとに, 併用検診の効果の持続期間を検診間隔別の大腸癌発見率を指標として検討した。浸潤癌 (粘膜下層浸潤癌と進行癌の合計) は2回目の検診で31例発見された。検診間隔が3年までは間隔が1年と有意な差はなかったが, 4年で有意に高かった。浸潤癌に粘膜内癌を合計した全癌は67例発見された。検診間隔が2年までは間隔が1年と有意な差はなかったが, 3年で高...
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Published in | 日本消化器集団検診学会雑誌 Vol. 39; no. 6; pp. 488 - 493 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
15.11.2001
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Subjects | |
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ISSN | 1345-4110 2186-7321 |
DOI | 10.11404/jsgcs2000.39.6_488 |
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Summary: | 欧米では大腸癌スクリーニングとして1年ごとの便潜血検査 (FOBT) と5年ごとのシグモイドスコピー (SCS) を勧告しているが, 検診間隔について十分な科学的根拠は示されていない。初回FOBTとSCS併用検診異常62,546人の2回目の検診結果をもとに, 併用検診の効果の持続期間を検診間隔別の大腸癌発見率を指標として検討した。浸潤癌 (粘膜下層浸潤癌と進行癌の合計) は2回目の検診で31例発見された。検診間隔が3年までは間隔が1年と有意な差はなかったが, 4年で有意に高かった。浸潤癌に粘膜内癌を合計した全癌は67例発見された。検診間隔が2年までは間隔が1年と有意な差はなかったが, 3年で高い傾向があり, 4年以上で有意に高くなっていた。以上からFOBTとSCS併用検診の効果は発見目標を浸潤癌とすると3年間, 全癌とすると2年間持続すると考えられた。発見目標を浸潤癌とする場合, 1年ごとのFOBTを続けていくと5年ごとのSCSは不要と考えられた。 |
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ISSN: | 1345-4110 2186-7321 |
DOI: | 10.11404/jsgcs2000.39.6_488 |