心室性不整脈に対する抗不整脈薬の長期治療効果の判定―Disopyramide, mexiletineおよびaprindineの中止による評価

抗不整脈薬の長期治療の中止による心室性期外収縮 (VPC) の変化をホルター心電図を用いて検討した.対象はLown分類IVa度以下のVPCを呈し, 抗不整脈薬の単独投与が有効と判断された56例である.平均観察期間は3年4カ月であった.基礎心疾患は29例 (52%) に認められた.投与された抗不整脈薬はdisopyramide (DP) 18例, mexiletine (MEX) 23例, aprindine (APR) 15例であった.薬物投与中のVPO数/日別分類では0~99が31例, 100~999が19例, 1, 000以上が8例であった.治療中止により対象群のうち5例は自覚症状が増悪し...

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Published in心電図 Vol. 14; no. 2; pp. 126 - 134
Main Authors 池田, 隆徳, 杉, 薫, 円城寺, 由久, 山下, 一弘, 安部, 良治, 二宮, 健次, 矢吹, 壮, 山口, 徹, 箕輪, 久, 安島, 春洋
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 30.04.1994
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Summary:抗不整脈薬の長期治療の中止による心室性期外収縮 (VPC) の変化をホルター心電図を用いて検討した.対象はLown分類IVa度以下のVPCを呈し, 抗不整脈薬の単独投与が有効と判断された56例である.平均観察期間は3年4カ月であった.基礎心疾患は29例 (52%) に認められた.投与された抗不整脈薬はdisopyramide (DP) 18例, mexiletine (MEX) 23例, aprindine (APR) 15例であった.薬物投与中のVPO数/日別分類では0~99が31例, 100~999が19例, 1, 000以上が8例であった.治療中止により対象群のうち5例は自覚症状が増悪し, ホルター心電図を記録できなかった.ホルター心電図記録可能例でのVPC悪化は61%の例であり, 上記5例を含めると計64%の例にVPC悪化を認めた.基礎心疾患合併例に限れば, 86%とさらに高率であった.抗不整脈薬別では, DP (78%) がAPR (33%) と比べVPC悪化例が有意に多かった.VPC数/日別分類では投与中止後各群間に悪化率に有意差を認めなかった. 抗不整脈薬によるVPC抑制効果は長期投与後においても高いことが示唆され, また基礎心疾患合併例では薬物を中止することが比較的困難であると考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.14.126