肺癌脳転移に対するガンマ・ナイフ治療

1992年2月より1994年4月までに当院にてガンマ・ナイフによる radiosurgery を施行した肺癌脳転移症例6例について検討した. 5例が腺癌, 1例が小細胞癌であり, 2例が単発転移, 4例が多発転移であった. 合計12転移巣に対して周辺線量12Gyから25Gyで治療を行い, 3転移巣に complete response, 8転移巣に partial response が認められ奏功率は92%であった. また, 全例に神経学的所見の改善が認められ, 剖検された2例において組織学的にも効果が確認された. 大きな副作用は認められず, 安全で侵襲の少ない治療法であったが, 6例中に4例...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 44 - 50
Main Authors 森川, 哲行, 武内, 浩一郎, 藤野, 英世, 福村, 基之, 木村, 緑, 古家, 仁, 永野, 尚登, 角田, 幸雄, 田代, 征夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本呼吸器学会 1995
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Summary:1992年2月より1994年4月までに当院にてガンマ・ナイフによる radiosurgery を施行した肺癌脳転移症例6例について検討した. 5例が腺癌, 1例が小細胞癌であり, 2例が単発転移, 4例が多発転移であった. 合計12転移巣に対して周辺線量12Gyから25Gyで治療を行い, 3転移巣に complete response, 8転移巣に partial response が認められ奏功率は92%であった. また, 全例に神経学的所見の改善が認められ, 剖検された2例において組織学的にも効果が確認された. 大きな副作用は認められず, 安全で侵襲の少ない治療法であったが, 6例中に4例に照射野外に再発を認めた. 以上の結果よりガンマ・ナイフは肺癌脳転移の治療に有用であることが示唆され, 特に脳幹部のような脳深部の転移巣に対して有用であると考えられた. しかし, 照射野外に再発が認められたことより, 全脳照射の追加は必要であると考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.33.44