腸間膜内に発生したCastlemanリンパ腫の1例

症例は30歳の女性で近医にて貧血, 血沈の亢進, 高γ-グロブリン血症, 腹部腫瘤を指摘され当科を受診した.腹部所見では上腹部に鶏卵大の腫瘤を認めた.腹部超音波では境界明瞭な低エコーの腫瘤像を認めた.CT検査にて腫瘤は腸間膜内にあり, 造影剤であまり増強されなかった.腸間膜腫瘍を疑い手術を施行した.腫瘤は腸間膜根部にあり4×3×3.3cm表面平滑で境界明瞭であった.組織学的にはCastlemanリンパ腫でありplasma cell typeと判明した.腫瘤摘出後に貧血等の検査異常は正常化した.Castlemanリンパ腫はリンパ節の過形成による腫瘤といわれ, 本邦では約200例の報告があるがその...

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Published in北関東医学 Vol. 43; no. 5; pp. 563 - 568
Main Authors 常沢, 伸幸, 松本, 弘, 横田, 徹, 柿沼, 臣一, 上吉原, 光宏, 長谷川, 豊, 川辺, 昌道, 草場, 輝雄, 坂田, 義行
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.09.1993
Subjects
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.43.563

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Summary:症例は30歳の女性で近医にて貧血, 血沈の亢進, 高γ-グロブリン血症, 腹部腫瘤を指摘され当科を受診した.腹部所見では上腹部に鶏卵大の腫瘤を認めた.腹部超音波では境界明瞭な低エコーの腫瘤像を認めた.CT検査にて腫瘤は腸間膜内にあり, 造影剤であまり増強されなかった.腸間膜腫瘍を疑い手術を施行した.腫瘤は腸間膜根部にあり4×3×3.3cm表面平滑で境界明瞭であった.組織学的にはCastlemanリンパ腫でありplasma cell typeと判明した.腫瘤摘出後に貧血等の検査異常は正常化した.Castlemanリンパ腫はリンパ節の過形成による腫瘤といわれ, 本邦では約200例の報告があるがその多くが胸部か頸部であり腹部発生は稀れである.又, plasma cell typeは貧血やいろいろな炎症反応を伴うことが多く, 切除によりそれらの異常は改善するといわれている.この症例においても同様の興味深い病態を呈したので報告した.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.43.563