空気塞栓予防法としての頸部圧迫法 内頸静脈上球部近傍圧連続測定の意義

脳外科坐位手術では, 空気塞栓の早期発見とともに, その予防法を確立することが重要である. 著者らは, 2例において空気塞栓予防として, 頸部圧迫による効果について研究した. 内頸静脈上球部近傍圧 (IJVP) を連続測定することにより, その予防効果を評価した. 頸部は, 軽度陽圧になるまで圧迫した. 著者らは, 腹部圧迫とPEEP (10cmH2O) についても予防効果を検討し, 次の結果を得た. 1) 頸部圧迫により, 空気塞栓を予防することができた. 2) 頸部圧迫により, IJVPを容易に大気圧以上にすることができた. 3) 腹部圧迫やPEEPでは, IJVPを大気圧以上にすることは...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 7; no. 4; pp. 414 - 418
Main Authors 下村, 啓, 松浦, 正司, 水野, 禎子, 木村, 弘, 細田, 蓮子, 新井, 豊久
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.07.1987
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Summary:脳外科坐位手術では, 空気塞栓の早期発見とともに, その予防法を確立することが重要である. 著者らは, 2例において空気塞栓予防として, 頸部圧迫による効果について研究した. 内頸静脈上球部近傍圧 (IJVP) を連続測定することにより, その予防効果を評価した. 頸部は, 軽度陽圧になるまで圧迫した. 著者らは, 腹部圧迫とPEEP (10cmH2O) についても予防効果を検討し, 次の結果を得た. 1) 頸部圧迫により, 空気塞栓を予防することができた. 2) 頸部圧迫により, IJVPを容易に大気圧以上にすることができた. 3) 腹部圧迫やPEEPでは, IJVPを大気圧以上にすることはできなかった. 以上, IJVPを指標とした頸部圧迫法は, 空気塞栓の予防法として良い方法であると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.7.414