胃癌検診における胃X線法とペプシノゲン法の併用に関する有用性の検討

当協会健診センターの人間ドックの胃癌検診において, 胃X線法とペプシノゲン法を併用した時の, ペプシノゲン法の有用性について検討した。ペプシノゲン法のスクリーニング基準は, PGI≦30ng/ml以下かつI/II比2.0以下の強陽性を用いた。ペプシノゲン法を胃X線法に併用すると最大9.4% まで要精検率が上昇したが, 10%以下であり許容範囲内と考えられた。癌発見率はペプシノゲン法を併用した群では, 最大0.09%で, 胃X線法のみの0.07%とほぼ同様であった。また, 胃X線法で異常なく, ペプシノゲン法強陽性例で早期胃癌が発見され, 胃X線法でみつかった進行癌でペプシノゲン法陰性例が発見さ...

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Published in日本消化器集団検診学会雑誌 Vol. 42; no. 2; pp. 177 - 184
Main Authors 小林, 正夫, 冨田, 照見, 三崎, 文夫, 宮永, 實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器がん検診学会 15.03.2004
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ISSN1345-4110
2186-7321
DOI10.11404/jsgcs2000.42.2_177

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Summary:当協会健診センターの人間ドックの胃癌検診において, 胃X線法とペプシノゲン法を併用した時の, ペプシノゲン法の有用性について検討した。ペプシノゲン法のスクリーニング基準は, PGI≦30ng/ml以下かつI/II比2.0以下の強陽性を用いた。ペプシノゲン法を胃X線法に併用すると最大9.4% まで要精検率が上昇したが, 10%以下であり許容範囲内と考えられた。癌発見率はペプシノゲン法を併用した群では, 最大0.09%で, 胃X線法のみの0.07%とほぼ同様であった。また, 胃X線法で異常なく, ペプシノゲン法強陽性例で早期胃癌が発見され, 胃X線法でみつかった進行癌でペプシノゲン法陰性例が発見されることから, ペプシノゲン法と胃X線法では異なった対象をスクリーニングしていると考えられた。人間ドックの胃癌検診において, 胃X線法では検出できない早期癌発見のために, ペプシノゲン法は胃X線法の補完検査として有用であると考えられた。
ISSN:1345-4110
2186-7321
DOI:10.11404/jsgcs2000.42.2_177