乳癌患者のホルモンレセプターと予後の評価

ホルモンレセプターと乳癌手術後患者の予後については, 生存率で陽性例が陰性例に比べ有意に良好であるとするものが多い.今回, 1985年より1993年3月までに手術を行った156例の原発性乳癌患者におけるエストーロゲンレセプター (ER) とプロゲステロンレセプター (PgR) の有無と手術成績について臨床病期別に検討した.累積生存率および健存率においてER陽性乳癌ならびにPgR陽性乳癌は, 各々の陰性乳癌と比べて有意に良好であった.また, ERとPgR共に陽性乳癌は共に陰性乳癌に比べ有意に良好な予後を示した.早期の病期 (Stage I, II) より進行癌 (Stage III) でよりホル...

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Published in北関東医学 Vol. 44; no. 2; pp. 161 - 166
Main Authors 横田, 徹, 柿沼, 臣一, 津田, 京一郎, 石田, 常博, 大木, 聡, 川辺, 昌道, 草場, 輝雄
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.03.1994
Subjects
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.44.161

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Summary:ホルモンレセプターと乳癌手術後患者の予後については, 生存率で陽性例が陰性例に比べ有意に良好であるとするものが多い.今回, 1985年より1993年3月までに手術を行った156例の原発性乳癌患者におけるエストーロゲンレセプター (ER) とプロゲステロンレセプター (PgR) の有無と手術成績について臨床病期別に検討した.累積生存率および健存率においてER陽性乳癌ならびにPgR陽性乳癌は, 各々の陰性乳癌と比べて有意に良好であった.また, ERとPgR共に陽性乳癌は共に陰性乳癌に比べ有意に良好な予後を示した.早期の病期 (Stage I, II) より進行癌 (Stage III) でよりホルモンレセプター陽性群が良好な健存率を示し, 特にPgR陽性群の予後が有意に良好であり, ER以上にPgRが予後因子として重要であることが示唆された.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.44.161