大腸癌スクリーニングとしての効率的な免疫的便潜血検査2日法の受診間隔
初回免疫的便潜血検査 (IFOBT) 2日法による検診を受けた場合, その後の効率的な受診間隔はいかにあるべきかを2回目検診の間隔別大腸癌発見率を指標として検討した。初回IFOBT2日法の検診結果が陰性で, その後2回目のIFOBT 2日法検診を受けた76337人を対象とした。2回目の検診で発見された大腸癌は103例であった。内訳は粘膜内癌46例, 浸潤癌57例であった。この103例について検診の受診間隔 (年数) 別の大腸癌発見率比を性別, 年齢で補正しオッズ比 (OR) として算出した。受診間隔が1年 (OR=1) に比べて, 粘膜内癌と全癌 (粘膜内癌+浸潤癌) ともにORは間隔が3年ま...
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Published in | 日本消化器集団検診学会雑誌 Vol. 43; no. 3; pp. 347 - 353 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
15.05.2005
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Subjects | |
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ISSN | 1345-4110 2186-7321 |
DOI | 10.11404/jsgcs2000.43.3_347 |
Cover
Summary: | 初回免疫的便潜血検査 (IFOBT) 2日法による検診を受けた場合, その後の効率的な受診間隔はいかにあるべきかを2回目検診の間隔別大腸癌発見率を指標として検討した。初回IFOBT2日法の検診結果が陰性で, その後2回目のIFOBT 2日法検診を受けた76337人を対象とした。2回目の検診で発見された大腸癌は103例であった。内訳は粘膜内癌46例, 浸潤癌57例であった。この103例について検診の受診間隔 (年数) 別の大腸癌発見率比を性別, 年齢で補正しオッズ比 (OR) として算出した。受診間隔が1年 (OR=1) に比べて, 粘膜内癌と全癌 (粘膜内癌+浸潤癌) ともにORは間隔が3年まで有意な増大はみられなかったが, 4年以上で粘膜内癌2.51 (95%信頼区間CI, 1.09-5.77), 全癌2.13 (95%CI, 1.19-3.81) と有意に増大した。浸潤癌では受診間隔が4年以上で1.85 (95%CI, 0.82-4.15) と増大したが, 例数不足のため有意な差はみられなかった。以上から初回IFOBT2日法が陰性の場合, 2回目のIFOBT2日法の受診間隔を3年まで空けても効率的な検診が可能と考えられた。 |
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ISSN: | 1345-4110 2186-7321 |
DOI: | 10.11404/jsgcs2000.43.3_347 |