石川県の病院・診療所におけるHIV抗体検査の実態と初期対応

目的: 医療機関でのHIV検査実施状況及び初期対応を調査し, 医療機関がHIV検査で果たしている役割を示す. 対象及び方法: 2004年2月現在の石川県内の病院・診療所の責任者804名に対して, HIV抗体検査実施状況及び検査前後の説明・指導・インフォームドコンセントについて無記名自記式質問紙法により調査した. 結果: 回答施設529のうち194施設 (36.7%) でHIV検査を過去に実施しており, うち自主的検査は192施設だった.検査件数平均13,884件/年 (2001-2003年) のうち検査動機が明らかになったのは, 自主的検査265件/年, 出産前検査5,730件/年, 手術前検...

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Published in日本エイズ学会誌 Vol. 8; no. 3; pp. 163 - 168
Main Authors 小野, 俊介, 上田, 幹夫, 辻, 典子, 木村, 和子, 山川, 朋子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本エイズ学会 20.08.2006
Subjects
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ISSN1344-9478
1884-2763
DOI10.11391/aidsr1999.8.163

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Summary:目的: 医療機関でのHIV検査実施状況及び初期対応を調査し, 医療機関がHIV検査で果たしている役割を示す. 対象及び方法: 2004年2月現在の石川県内の病院・診療所の責任者804名に対して, HIV抗体検査実施状況及び検査前後の説明・指導・インフォームドコンセントについて無記名自記式質問紙法により調査した. 結果: 回答施設529のうち194施設 (36.7%) でHIV検査を過去に実施しており, うち自主的検査は192施設だった.検査件数平均13,884件/年 (2001-2003年) のうち検査動機が明らかになったのは, 自主的検査265件/年, 出産前検査5,730件/年, 手術前検査322件/年だった.出産前検査がHIV検査の大きな機会提供となっている.医療機関の自主的検査は保健所等を含めた石川県内の自主的検査の4割に上った. 自主的検査実施施設のうち56.3%で検査前及び後で説明・指導を行っており, 25.5%は検査前または後のどちらか一方, 13.0%では検査前後共に行っていなかった. 出産前検査を行っている41施設中39施設はインフォームドコンセントを得ていたが, 1施設では得られていなかった.手術前検査ではすべて得られていた. 結論: 医療施設はHIV検査提供にすでに重要な役割を果たしていることが明らかとなった.すべての施設で説明・指導・インフォームドコンセントの実施を徹底する必要がある.
ISSN:1344-9478
1884-2763
DOI:10.11391/aidsr1999.8.163