同種骨髄移植を行った小児急性骨髄性白血病の一例

急性骨髄性白血病 (AML) の小児に行った同種骨髄移植の一例を報告した.患児は初発時13歳の男児で, FAB分類M2のAMLと診断された.化学療法により完全寛解が得られたが, 骨髄再発ならびに中枢神経系再発を合併した.そこでHLA一致の妹からの同種骨髄移植を行った.前処置としては全身照射3Gyを4日間, 計12Gyとetoposide (60mg/kg) およびcytosine arabinoside (3g/m28回) の投与を行った.照射終了後から白血球は急激に減少し, 無菌室に収容して完全無菌管理を行った.移植後は順調に経過し, 移植後25日目の染色体分析にて女性型の核型が認められ生着...

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Published in北関東医学 Vol. 41; no. 6; pp. 885 - 891
Main Authors 斎川, 紀子, 外松, 学, 山川, 通隆, 新部, 英男, 由上, 伸一郎, 井嶋, 裕子, 岡田, 恭典, 黒梅, 恭芳, 設楽, 利二, 三橋, 紀夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.11.1991
Subjects
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ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.41.885

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Summary:急性骨髄性白血病 (AML) の小児に行った同種骨髄移植の一例を報告した.患児は初発時13歳の男児で, FAB分類M2のAMLと診断された.化学療法により完全寛解が得られたが, 骨髄再発ならびに中枢神経系再発を合併した.そこでHLA一致の妹からの同種骨髄移植を行った.前処置としては全身照射3Gyを4日間, 計12Gyとetoposide (60mg/kg) およびcytosine arabinoside (3g/m28回) の投与を行った.照射終了後から白血球は急激に減少し, 無菌室に収容して完全無菌管理を行った.移植後は順調に経過し, 移植後25日目の染色体分析にて女性型の核型が認められ生着が確認された.現在は維持療法は行わず経過観察中である.骨髄移植は最先端の先進医療として注目されている治療法で, 本症例も従来の治療では再発を繰り返し, 治癒の見込みは無いと思われたが, 骨髄移植後順調な経過を辿っている.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.41.885