薬剤業務の合理化と標準化を目指して (I) 注射剤配合変化チェックシステムの開発と評価

「緒言」 近年, 注射薬に関する業務は, 薬品管理から供給, 使用に至るまで, 薬学的管理が主要となってきている. その供給は, 従来行われてきた病棟への「定数配置制」や「箱渡し」等の払い出し方法から, 患者個人別1回施用毎の払い出し方法へと変化し, さらには混注業務へと展開することが, 概ね注射剤調剤業務として捉えられるようになってきている. このような状況の中, 当院薬剤部では, 薬剤管理指導業務を開始した平成4年3月より, 注射剤の患者個人別払い出しを実施し, 注射処方せんの薬剤部入力による1回施用毎の供給を全病棟に対し展開してきた1). これによって, 病棟における不良在庫量の大幅な減...

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Published in医療薬学 Vol. 27; no. 4; pp. 323 - 330
Main Authors 黒田, 和夫, 吉岡, 睦展, 正置, 耕一, 盛岡, 美穂, 大西, 憲明, 横山, 照由, 辻, 隆志, 渡, 雅克
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2001
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.27.323

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Summary:「緒言」 近年, 注射薬に関する業務は, 薬品管理から供給, 使用に至るまで, 薬学的管理が主要となってきている. その供給は, 従来行われてきた病棟への「定数配置制」や「箱渡し」等の払い出し方法から, 患者個人別1回施用毎の払い出し方法へと変化し, さらには混注業務へと展開することが, 概ね注射剤調剤業務として捉えられるようになってきている. このような状況の中, 当院薬剤部では, 薬剤管理指導業務を開始した平成4年3月より, 注射剤の患者個人別払い出しを実施し, 注射処方せんの薬剤部入力による1回施用毎の供給を全病棟に対し展開してきた1). これによって, 病棟における不良在庫量の大幅な減少や伝票の記載漏れ防止, ナースステーションでの看護婦の注射薬混合調製業務の軽減等, 院内においては, 経済面, および合理化面で少なからず評価を得てきた. しかし, 病棟での注射剤混注時における混濁, 力価の低下等の配合変化対策は, 依然として事後の対処に甘んじており, 患者個々に対する医薬品の安定性と安全性を保証するファーマシューティカルケアの基本的な部分で問題を抱えたままであった.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.27.323