Bone Morphogenetic Protein (BMP) による歯周組織の再生療法に関する研究 サル根分岐部骨欠損部にコラーゲン膜をスペーサーとして用いる方法について

本研究は, guid6dtissueregeneration (GTR) 法では治療が困難な根分岐部病変に, bonemorphogeneticprotein (BMP) を用いて歯周組織を再生させる方法を開発する目的で行った。まず実験1として, サルの臼歯に根分岐部3度の骨欠損を作り, セメント質を除去し高濃度BMP1.0mg配合改良fibrouscollagen membrane No. 1 (FCM1) を移植し, 12週後に病理組織学的に観察した結果, 根分岐部に骨が再生していたが根面との癒着が観察された。しかし根面のノッチ部では癒着がなくセメント質と歯根膜が再生しており, これは根面...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 38; no. 4; pp. 428 - 446
Main Authors 久保木, 芳徳, 佐々木, 勝, 加藤, 熈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.12.1996
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.38.428

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Summary:本研究は, guid6dtissueregeneration (GTR) 法では治療が困難な根分岐部病変に, bonemorphogeneticprotein (BMP) を用いて歯周組織を再生させる方法を開発する目的で行った。まず実験1として, サルの臼歯に根分岐部3度の骨欠損を作り, セメント質を除去し高濃度BMP1.0mg配合改良fibrouscollagen membrane No. 1 (FCM1) を移植し, 12週後に病理組織学的に観察した結果, 根分岐部に骨が再生していたが根面との癒着が観察された。しかし根面のノッチ部では癒着がなくセメント質と歯根膜が再生しており, これは根面と移植材との間にスペースができていたためと考えられた。そこで移植材と根面との間にスペーサーを置く方法を用いれば, 歯槽骨とセメント質と歯根膜も再生できるのではないかと考え, 実験2としてサルの臼歯に根分岐部骨欠損を作製し移植実験を行い, 6週後と12週後に臨床的, 病理組織学的に観察した。その結果, 改良FCM1のみ移植した群では骨の再生が少なく, S 300 BMP配合改良FCM1を移植した群では骨はほぼ完全に再生されたが一部は根面と癒着していたのに対し, 改良FCM1をスペーサーとして介在させてS 300 BMP配合改良FCM1を移植した群では, 歯槽骨がほぼ完全に再生するとともにセメント質と歯根膜が再生し癒着は生じていなかった。以上より, コラーゲン膜をスペーサーとして用いてBMPを移植する方法により, GTR法では再生不可能な部位の歯周組織の再生が可能と思われた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.38.428