先天性腓骨欠損症の観血的治療経験

「はじめに」先天性腓骨欠損症は, 長管骨奇形の中で最も頻度が高く, 下肢全体の腓骨列の形成不全のたあに下肢短縮, 外反足変形, 足根骨癒合症, 欠趾症などを合併しやすい1-4)とされ, その中で最も問題となるのは下肢短縮である. 今回, 我々は3例の先天性腓骨欠損症の下肢短縮に対し, 2例は下肢骨延長, 1例はサイム切断と下腿義足で治療し良好な結果を得たのでその治療経験について報告する. 対象症例 症例は, 男児2例, 女児1例であり, いずれも片側罹患例であった. 初回手術時年齢は2歳, 10歳, 13歳であった. 最終手術から調査時までの術後経過期間は, 7-10年であった. Achter...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 52; no. 3; pp. 621 - 624
Main Authors 南, 周作, 小宮, 節郎, 中村, 雅洋, 肥後, 勝, 竹之内, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2003
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.52.621

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Summary:「はじめに」先天性腓骨欠損症は, 長管骨奇形の中で最も頻度が高く, 下肢全体の腓骨列の形成不全のたあに下肢短縮, 外反足変形, 足根骨癒合症, 欠趾症などを合併しやすい1-4)とされ, その中で最も問題となるのは下肢短縮である. 今回, 我々は3例の先天性腓骨欠損症の下肢短縮に対し, 2例は下肢骨延長, 1例はサイム切断と下腿義足で治療し良好な結果を得たのでその治療経験について報告する. 対象症例 症例は, 男児2例, 女児1例であり, いずれも片側罹患例であった. 初回手術時年齢は2歳, 10歳, 13歳であった. 最終手術から調査時までの術後経過期間は, 7-10年であった. Achterman and Kalamchiの腓骨欠損症のX線写真分類1)では, 腓骨形成不全のTypeIAが1例, TypeIBが1例, 腓骨完全欠損のTypeIIが1例であった. 術前臨床的には, 全例疼痛はなかったが, 肢行を呈し, 罹患側の下肢短縮, 足関節の外反, 側弯を認め, TypeIIには, 高度膝外反もあった. また全例に足部変形があり, TypeIAとIBの2例は外観的にはplantigrade footであったが, X線上TypeIAには, 外側足趾列欠損と脛骨果部の形成不全を, TypeIBには球状足関節, 足根骨癒合を認めた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.52.621