特発性間質性肺炎の急性増悪に対するステロイドパルス療法施行例の予後
特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪に対するステロイドパルス療法の有効性と背景因子・予後との関連を検討した. IIPの急性増悪 (1カ月以内に, PaO210Torr以上の悪化・胸部レ線所見の増悪・自覚症状の増悪を満たす) 17例を対象とした. 治療後2週間及び, 3ヵ月の時点でAaDo2により効果判定を行い, 有効・一時有効・無効の3群に分類した. ステロイドパルス療法直後の効果から3ヵ月後の効果を予測するのは困難であった. 比較的軽症例・ステロイド未治療例の急性増悪に有効例が多かった.ステロイドパルス療法後3ヵ月での有効例は, 無効例に比し, 急性増悪時からの生存期間が有意に長かった....
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 9 - 15 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.01.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.35.9 |
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Summary: | 特発性間質性肺炎 (IIP) の急性増悪に対するステロイドパルス療法の有効性と背景因子・予後との関連を検討した. IIPの急性増悪 (1カ月以内に, PaO210Torr以上の悪化・胸部レ線所見の増悪・自覚症状の増悪を満たす) 17例を対象とした. 治療後2週間及び, 3ヵ月の時点でAaDo2により効果判定を行い, 有効・一時有効・無効の3群に分類した. ステロイドパルス療法直後の効果から3ヵ月後の効果を予測するのは困難であった. 比較的軽症例・ステロイド未治療例の急性増悪に有効例が多かった.ステロイドパルス療法後3ヵ月での有効例は, 無効例に比し, 急性増悪時からの生存期間が有意に長かった. しかし, 発症時からの平均生存期間には3群間で有意差は認めなかった. 以上の結果から, ステロイドパルス療法はIIP急性増悪に対して有効であり, その効果判定時期として2週間よりも3ヵ月が適切であることが示唆された. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.35.9 |