口腔癌の治療における細胞性免疫能の変化: 手術と放射線の影響について

口腔扁平上皮癌一次症例に対する手術と放射線療法が宿主の細胞性免疫能に与える影響を調べるため, NK活性, LAK漕性, IL-2産生能を含めたいくつかの免疫パラメーターを選択し, 1989年から1993年までに治療を行った22例を評価した。 手術前後の免疫学的パラメーターの有意な変動は, 術後2週の末梢血白血球数の増加以外にはみられなかった。放射線照射の直後ないしは1か月後に白血球数, リンパ球数の有意な減少と, リンパ球幼若化反応, LAK活性, IL-2産生能の有意な低下がみられた。3か月後までに免疫学的パラメーターは照射前のレベルまで回復した。照射による単球数, NK活性の変動はほとんど...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 7; no. 4; pp. 304 - 311
Main Authors 川崎, 五郎, 冨永, 尚宏, 伊藤, 道一郎, 空閑, 祥浩, 松尾, 長光, 水野, 明夫, 徳久, 道生, 冨永, 和宏, 藤樹, 亨, 梅本, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 25.12.1995
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.7.304

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Summary:口腔扁平上皮癌一次症例に対する手術と放射線療法が宿主の細胞性免疫能に与える影響を調べるため, NK活性, LAK漕性, IL-2産生能を含めたいくつかの免疫パラメーターを選択し, 1989年から1993年までに治療を行った22例を評価した。 手術前後の免疫学的パラメーターの有意な変動は, 術後2週の末梢血白血球数の増加以外にはみられなかった。放射線照射の直後ないしは1か月後に白血球数, リンパ球数の有意な減少と, リンパ球幼若化反応, LAK活性, IL-2産生能の有意な低下がみられた。3か月後までに免疫学的パラメーターは照射前のレベルまで回復した。照射による単球数, NK活性の変動はほとんどみられなかった。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.7.304