コレステロール系遺残結石に対する直接溶解剤としてのテルペン系製剤に関する研究

術後コレステロール系遺残結石に対する直接溶解剤としてd-limoneneを主成分とする薬剤を開発し, 基礎実験においてコレステロールの溶解力と安全性を確認したのち臨床応用において著効を認めたので報告する. d-limoneneに少量の界面活性剤を添加することで胆汁と均一なエマルジョンを作りやすくし, 術後総胆管ドレーンより注入して用いるが, 術中取り出し得た胆石をin vitroで本剤中に浸漬して遺残結石に対する溶解力を推定し得た症例に対しては確実な効果をあげることができ, 注入期間中臨床生化学検査において特に問題点はなかつた, なお本剤は既存の医用カテーテルを変質させるため全く新しいカテーテ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 7; no. 6; pp. 586 - 603
Main Authors 五十君, 裕玄, 久次, 武晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1974
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Summary:術後コレステロール系遺残結石に対する直接溶解剤としてd-limoneneを主成分とする薬剤を開発し, 基礎実験においてコレステロールの溶解力と安全性を確認したのち臨床応用において著効を認めたので報告する. d-limoneneに少量の界面活性剤を添加することで胆汁と均一なエマルジョンを作りやすくし, 術後総胆管ドレーンより注入して用いるが, 術中取り出し得た胆石をin vitroで本剤中に浸漬して遺残結石に対する溶解力を推定し得た症例に対しては確実な効果をあげることができ, 注入期間中臨床生化学検査において特に問題点はなかつた, なお本剤は既存の医用カテーテルを変質させるため全く新しいカテーテルを同時に開発した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.7.586