食道静脈瘤内視鏡的治療後の門脈血行動態の経年的変化
平均観察期間3.6±3.3年 (0.5-14.5年) の間隔で食道静脈瘤内視鏡的治療の前後に血管造影を施行し得た95例を対象に, 門脈血行動態の経年的変化について検討した.1) 食道静脈瘤治療前の他の側副血行路の存在は静脈瘤再発を減少させる方向に働く傾向を認めたが (統計学上は有意差), 静脈瘤治療後の新たな側副血行路の出現は静脈瘤再発に影響を与えていなかった.2) 内視鏡的治療により左胃静脈を完全に閉塞しえたと考えられた症例は, 治療前の左胃静脈血流が求肝性血流あるいは血流方向不明を示した症例では存在せず, 左胃静脈血流がto and froあるいは遠肝性を示した症例では約1/5であった.3...
Saved in:
Published in | 日本門脈圧亢進症学会雑誌 Vol. 11; no. 2; pp. 154 - 159 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本門脈圧亢進症学会
2005
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1344-8447 2186-6376 |
DOI | 10.11423/jsph1999.11.2_154 |
Cover
Summary: | 平均観察期間3.6±3.3年 (0.5-14.5年) の間隔で食道静脈瘤内視鏡的治療の前後に血管造影を施行し得た95例を対象に, 門脈血行動態の経年的変化について検討した.1) 食道静脈瘤治療前の他の側副血行路の存在は静脈瘤再発を減少させる方向に働く傾向を認めたが (統計学上は有意差), 静脈瘤治療後の新たな側副血行路の出現は静脈瘤再発に影響を与えていなかった.2) 内視鏡的治療により左胃静脈を完全に閉塞しえたと考えられた症例は, 治療前の左胃静脈血流が求肝性血流あるいは血流方向不明を示した症例では存在せず, 左胃静脈血流がto and froあるいは遠肝性を示した症例では約1/5であった.3) 食道静脈瘤再発例における左胃静脈の血流方向は, 約半数が求肝性あるいは血流方向不明, 約半数がto and froあるいは遠肝性であった. |
---|---|
ISSN: | 1344-8447 2186-6376 |
DOI: | 10.11423/jsph1999.11.2_154 |