Mexiletineがmyotonia現象, 及び筋由来酵素の逸脱改善に有効であった筋緊張性ジストロフィーの一例

症例は34歳男性.トランスアミナーゼ高値 (GOT211, GPT265) 精査目的にて入院.特異的顔貌, 筋力低下, 筋萎縮, myotonia現象, 筋電図より, 筋緊張性ジストロフィー症と診断した.肝生検及び逸脱酵素アイソザイムより, トランスアミナーゼの高値は筋由来の逸脱であると考えた.Myotoniaに対して, Mexiletine (300mg/日) を用いたところ, gripmyotoniaの弛緩時間 (finger extension time) が著明に改善しmyotoniaに対して有効であったのみならず, 更に, 高値を示していたトランスアミナーゼ値を明らかに低下させた.本...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in北関東医学 Vol. 44; no. 1; pp. 75 - 80
Main Authors 長嶺, 竹明, 丸山, 秀樹, 佐藤, 則之, 三田, 佳伯, 竹原, 健, 森, 昌朋, 新井, 孝之, 山田, 昇司, 吉浜, 豊
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 北関東医学会 01.01.1994
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0023-1908
1883-6135
DOI10.2974/kmj1951.44.75

Cover

More Information
Summary:症例は34歳男性.トランスアミナーゼ高値 (GOT211, GPT265) 精査目的にて入院.特異的顔貌, 筋力低下, 筋萎縮, myotonia現象, 筋電図より, 筋緊張性ジストロフィー症と診断した.肝生検及び逸脱酵素アイソザイムより, トランスアミナーゼの高値は筋由来の逸脱であると考えた.Myotoniaに対して, Mexiletine (300mg/日) を用いたところ, gripmyotoniaの弛緩時間 (finger extension time) が著明に改善しmyotoniaに対して有効であったのみならず, 更に, 高値を示していたトランスアミナーゼ値を明らかに低下させた.本症例は, Mexiletineが従来の報告に無い, “筋由来の酵素逸脱の改善” に対しても有効である可能性を示唆したことから, 筋緊張性ジストロフィーの病態, 治療を検討するうえで興味ある一例と考えられたので報告する.
ISSN:0023-1908
1883-6135
DOI:10.2974/kmj1951.44.75