パーキンソン病のon-off現象と血漿3-OMD及びdopa動態について

パーキンソン病34例を対象に血漿3-O-methyldopa及びdopa動態を検討した. 長期L-dopa療法患者のうち運動症状の日内動揺の著しい広義のon-off現象を有する15例は, 他の臨床背景が類似している陰性12例と比べてdopaとDCI 1日投与量が有意に多量で, かつ血漿3-OMD値が異常高値を示していた. 初回投与例ではこのような3-OMDの高値はみられなかつた. したがつて広義のon-off現象の一因として, 末梢での3-OMD異常高値がdopaの脳内取り込みを抑制する可能性が示唆され, 興味深く思われたので報告した....

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Published in医療 Vol. 41; no. 5; pp. 445 - 450
Main Authors 久野, 貞子, 藤竹, 純子, 西谷, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.05.1987
国立医療学会
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Summary:パーキンソン病34例を対象に血漿3-O-methyldopa及びdopa動態を検討した. 長期L-dopa療法患者のうち運動症状の日内動揺の著しい広義のon-off現象を有する15例は, 他の臨床背景が類似している陰性12例と比べてdopaとDCI 1日投与量が有意に多量で, かつ血漿3-OMD値が異常高値を示していた. 初回投与例ではこのような3-OMDの高値はみられなかつた. したがつて広義のon-off現象の一因として, 末梢での3-OMD異常高値がdopaの脳内取り込みを抑制する可能性が示唆され, 興味深く思われたので報告した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.41.445