血清蛋白分画の精度管理法

電気泳動法による血清蛋白分画値に関する全国コントロール・サーベイを実施し, 施設内・施設間誤差変動の大きさを推定するとともに, 変動要因の解析を行った. その結果, 施設間総誤差変動はアルブミン分画で約3%, グロブリン分画で約11~14%の変動係数を示した. これら変動の内訳として, 施設内変動を上回る施設間変動を認め, また, 施設内においては日内変動に対して有意な日間変動を認めた. 分析上の要因としては, セ・ア膜の種類により, セパラックス膜は同SP膜に比べα1, α2-glo分画で高値を示す傾向にあり, 逆にγ-glo分画で2%ほど低値を示した. また, 自動分析装置の機種間において...

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Published in生物物理化学 Vol. 41; no. 3; pp. 127 - 131
Main Authors 細萱, 茂実, 久米, 章司, 藤田, 清貴, 櫻林, 郁之介
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本電気泳動学会 15.06.1997
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Summary:電気泳動法による血清蛋白分画値に関する全国コントロール・サーベイを実施し, 施設内・施設間誤差変動の大きさを推定するとともに, 変動要因の解析を行った. その結果, 施設間総誤差変動はアルブミン分画で約3%, グロブリン分画で約11~14%の変動係数を示した. これら変動の内訳として, 施設内変動を上回る施設間変動を認め, また, 施設内においては日内変動に対して有意な日間変動を認めた. 分析上の要因としては, セ・ア膜の種類により, セパラックス膜は同SP膜に比べα1, α2-glo分画で高値を示す傾向にあり, 逆にγ-glo分画で2%ほど低値を示した. また, 自動分析装置の機種間においても測定値やその誤差変動の大きさが異なる傾向も認められた. 一方, このような誤差特性をもつ蛋白分画検査の施設内精度管理法として, x-Rs-R管理図法の適用を試み, その有用性を確認した.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.41.127