非膵性高アミラーゼ血症におけるアミラーゼアイソザイム

今回我々は, アミラーゼァイソザイムを測定し, 非膵性高アミラーゼ血症の特徴について検討を加えた. 対象は膵・腎・肝疾患を有しない高アミラーゼ血症の10例である. 内1例は特異的なアイソザイムを示したIgA-λ型のマクロアミラーゼ血症であった. 残りのS型高アミラーゼ血症9例のアイソザイムでは, P/S比は0.20~0.59の範囲であり, 平均は0.4と低値であった. 亜分画では, S2は全例10~22%と高値を示し, 平均は13.2%であった. S3も6例にみられた. これら9例のうち, 7例はなんらかの基礎疾患を有し投薬を受けていた(2例は一過性であった)が残り2例は無症状・無投薬の症例で...

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Published in医療 Vol. 48; no. 5; pp. 381 - 384
Main Authors 森田, 茂樹, 有馬, 哲彦, 松田, 美登里, 金内, 弘志, 船瀬, 将一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.05.1994
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.48.381

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Summary:今回我々は, アミラーゼァイソザイムを測定し, 非膵性高アミラーゼ血症の特徴について検討を加えた. 対象は膵・腎・肝疾患を有しない高アミラーゼ血症の10例である. 内1例は特異的なアイソザイムを示したIgA-λ型のマクロアミラーゼ血症であった. 残りのS型高アミラーゼ血症9例のアイソザイムでは, P/S比は0.20~0.59の範囲であり, 平均は0.4と低値であった. 亜分画では, S2は全例10~22%と高値を示し, 平均は13.2%であった. S3も6例にみられた. これら9例のうち, 7例はなんらかの基礎疾患を有し投薬を受けていた(2例は一過性であった)が残り2例は無症状・無投薬の症例であった. 高アミラーゼ血症の鑑別に, アミラーゼイアソザイムの測定は有用であった. また, S型高アミラーゼ血症の原因は多岐にわたっており, 高アミラーゼ血症をきたしやすい既知の疾患を有していない例もみられた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.48.381