大腿骨偽関節・変形治癒骨折に対するM式彎曲プレートの応用

骨接合術に対するプレートの適応は限られた症例に対してのみである. 粉砕骨折や変形治癒骨折, 偽関節に対しては多少異なつた固定材料が必要となる. 従来, 中・下%部での骨折では, キユンチヤー釘や長いプレートを使用すると種々のトラブルに遭遇する. それは生理的に前彎を有する大腿骨に真直ぐなもので内固定することにあつた. 現在市販されているほとんどのプレートは真直ぐで, 前額面にはプレート・ベンダーで大腿骨の彎曲に適合するように彎曲可能であるが, 矢状面に対しては彎曲できない欠点がある. 我々は晒骨標本より成人の大腿骨中央部以下での彎曲度を計測した結果1000Rであつた. そこでプレートの長さ18...

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Published in医療 Vol. 38; no. 9; pp. 907 - 910
Main Authors 松葉, 健, 鈴木, 伸夫, 根本, 元, 井出, 誠, 鐘, 陽明, 信田, 進吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.09.1984
医療同好会
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Summary:骨接合術に対するプレートの適応は限られた症例に対してのみである. 粉砕骨折や変形治癒骨折, 偽関節に対しては多少異なつた固定材料が必要となる. 従来, 中・下%部での骨折では, キユンチヤー釘や長いプレートを使用すると種々のトラブルに遭遇する. それは生理的に前彎を有する大腿骨に真直ぐなもので内固定することにあつた. 現在市販されているほとんどのプレートは真直ぐで, 前額面にはプレート・ベンダーで大腿骨の彎曲に適合するように彎曲可能であるが, 矢状面に対しては彎曲できない欠点がある. 我々は晒骨標本より成人の大腿骨中央部以下での彎曲度を計測した結果1000Rであつた. そこでプレートの長さ18~22cm, 幅16mm, 厚さ4mmで1000Rの彎曲をもつたプレートを試作し, 大腿骨骨幹部骨折後の偽関節や変形治癒骨折の再手術の症例に使用したところ, 大腿骨の外側によく適合し, 強固な固定がえられたので報告した.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.38.907