ERCP関連手技

ERCPは1969年に開発され1), 当初は膵癌, 胆道癌の早期発見に大きな期待が寄せられた. しかし実際は予想に反して期待通りとはいい難いものであった. 現在, 診断面でERCPが他の検査法と比べて明らかに優れているのは, 十二指腸乳頭部癌と膵胆管合流異常症の確定診断につきると思われる. 一方, 1973年, 内視鏡的乳頭切開術(以下EST)が開発され2)てからは, 治療面で華々しい発展3)~5)を遂げた. 診断面でも親子ファイバーを用いた経口膵胆管鏡の開発や細径超音波内視鏡による胆管内超音波走査も可能となっている. これら診断面での付加手技もERCPの技術をもとにしたERCP関連手技である...

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Published in医療 Vol. 50; no. 9; pp. 640 - 642
Main Authors 吉川, 裕之, 松崎, 祐子, 原田, 俊則, 平戸, 宏, 福本, 陽平, 上田, 城久郎, 大村, 良介, 梶井, 信洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.09.1996
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.50.640

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Summary:ERCPは1969年に開発され1), 当初は膵癌, 胆道癌の早期発見に大きな期待が寄せられた. しかし実際は予想に反して期待通りとはいい難いものであった. 現在, 診断面でERCPが他の検査法と比べて明らかに優れているのは, 十二指腸乳頭部癌と膵胆管合流異常症の確定診断につきると思われる. 一方, 1973年, 内視鏡的乳頭切開術(以下EST)が開発され2)てからは, 治療面で華々しい発展3)~5)を遂げた. 診断面でも親子ファイバーを用いた経口膵胆管鏡の開発や細径超音波内視鏡による胆管内超音波走査も可能となっている. これら診断面での付加手技もERCPの技術をもとにしたERCP関連手技であるが, 本稿では内視鏡的治療としてのERCP関連手技について紹介する. 「手技と目的, 症例呈示」Table 1に内視鏡的治療としてのERCP関連手技をまとめた. 目的部位の別によらずすべて, ERCPを基本とした経乳頭的アプローチである. いずれの手技もERCPで用いる通常の造影カニューラを深部挿管することから始まる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.50.640