重症心身障害児病棟で流行した軽症膵炎について

昭和62年2月から3月まで重症心身障害児病棟で消化器症状を呈し, 尿アミラーゼ高値をとる18例を経験した. 患者年令は10才から45才におよんだ(平均27才). 症状は, 〓吐. 食欲低下, 下痢, 腹部膨満などであり, 平均罹病期間は4日といずれも良好な経過をとつた. 尿アミラーゼは全例で, 血清アミラーゼは5例で軽度の上昇をみた. 以上より, 軽症型の膵炎を考えたが, その原因に関しては不明であつた. なお, 5例に急性期を過ぎても高値をとるものがみられたが, 無症状だつた. 重症心身障害児ではしばしば〓吐などの消化器症状がみられるが, この場合, 膵炎も鑑別に考えることが重要とおもわれた...

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Published in医療 Vol. 43; no. 2; pp. 164 - 167
Main Authors 吉野, 邦夫, 中島, 雅子, 木村, 正彦, 稲垣, 真澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.02.1989
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.43.164

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Summary:昭和62年2月から3月まで重症心身障害児病棟で消化器症状を呈し, 尿アミラーゼ高値をとる18例を経験した. 患者年令は10才から45才におよんだ(平均27才). 症状は, 〓吐. 食欲低下, 下痢, 腹部膨満などであり, 平均罹病期間は4日といずれも良好な経過をとつた. 尿アミラーゼは全例で, 血清アミラーゼは5例で軽度の上昇をみた. 以上より, 軽症型の膵炎を考えたが, その原因に関しては不明であつた. なお, 5例に急性期を過ぎても高値をとるものがみられたが, 無症状だつた. 重症心身障害児ではしばしば〓吐などの消化器症状がみられるが, この場合, 膵炎も鑑別に考えることが重要とおもわれた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.43.164