歯肉 (溝) 滲出液の分析 等電点電気泳動法によるタンパク分画と臨床評価の関連について

歯肉溝滲出液 (GCF) のタンパク分画を把握する日的で, ポリアクリルアミド等電点電気泳動法を行い, 臨床所見との比較を行なった。105部位の被検部位は, GCFを濾紙で採取し, 臨床所見としては, ポケットの深さ (PD), 歯肉炎指数 (GI) およびプラーク指数 (PlI) を測定し, 次の結果を得た。 1. 等電点電気泳動におけるGCFの主分画は, pH 5.5~7 . 5の間に存在した。また, 同一血清と比較すると血清アルブミンに相当する分画が認められたが, GCFの方が高いpHにも分画が認められた。 2. pH 5.5~7.5のGCF分画中のPDが7mm以上における出現率が, 6...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 30; no. 4; pp. 996 - 1007
Main Authors 青木, 裕子, 吉永, 英司, 玉澤, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.12.1988
日本歯周病学会
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Summary:歯肉溝滲出液 (GCF) のタンパク分画を把握する日的で, ポリアクリルアミド等電点電気泳動法を行い, 臨床所見との比較を行なった。105部位の被検部位は, GCFを濾紙で採取し, 臨床所見としては, ポケットの深さ (PD), 歯肉炎指数 (GI) およびプラーク指数 (PlI) を測定し, 次の結果を得た。 1. 等電点電気泳動におけるGCFの主分画は, pH 5.5~7 . 5の間に存在した。また, 同一血清と比較すると血清アルブミンに相当する分画が認められたが, GCFの方が高いpHにも分画が認められた。 2. pH 5.5~7.5のGCF分画中のPDが7mm以上における出現率が, 60%を越えたものはpI 5 . 65, 6.45, 6.55, 6.75および7.00であった。 各分画の出現率と臨床所見のをx2検定で調べたところ, 以下の結果を得た。 pI 5.65, 6.45, 6.55および6.75は , PDとの間に有意差が認められ, pI 6 . 45, 6 . 55および6. 75はGIとの間には有意差が認められた。 しかし, 各pIとPlIとの間には有意差が認められなかった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.30.996