水泳肩に対する半導体レーザー治療の一経験 疼痛緩和が及ぼすスポーツにおける心理的影響

我々は,臨床で疼痛障害を有するスポーツ選手を数多く経験する。選手達にとっては,いかに競技成績を高めるかが最大の目標となるため,我々の治療やトレーニング計画の変更を容易に受け入れない場合も少なくない。そして記録更新への積極的な意欲に対し,痛みで満足な練習が出来ない現状に腹立たしさや不安,焦りといった精神状態を引き起こしてしまう。今回,その状態にある水泳肩の一症例に対してGaAlAs半導体レーザー治療を試みた。Visual Analogue Scaleにより鎮痛の急性効果が認められた。現実に痛みが軽減したため落ち着きを取り戻し,治療者への信頼感が生じた。その結果治療への専念と炎症部の安静が得られ,...

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Published in理学療法学 Vol. 20; no. 2; pp. 110 - 112
Main Authors 喜多岡, 健二, 白石, 貢一郎, 石戸谷, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 01.03.1993
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001306623

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Summary:我々は,臨床で疼痛障害を有するスポーツ選手を数多く経験する。選手達にとっては,いかに競技成績を高めるかが最大の目標となるため,我々の治療やトレーニング計画の変更を容易に受け入れない場合も少なくない。そして記録更新への積極的な意欲に対し,痛みで満足な練習が出来ない現状に腹立たしさや不安,焦りといった精神状態を引き起こしてしまう。今回,その状態にある水泳肩の一症例に対してGaAlAs半導体レーザー治療を試みた。Visual Analogue Scaleにより鎮痛の急性効果が認められた。現実に痛みが軽減したため落ち着きを取り戻し,治療者への信頼感が生じた。その結果治療への専念と炎症部の安静が得られ,慢性炎症に進行することなくスポーツ完全復帰が獲得できた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001306623