口腔癌に対するUFT・プラチナ誘導体併用療法にて著効を得た2症例

Neo-adjuvant chemotherapyの一環として我々は口腔癌に対しUFTとプラチナ誘導体の併用療法を施行し, 良好な結果が得られた2例についてその概要を報告する。 症例1: 77歳女性, 右舌扁平上皮癌, T2N0M0, StageII, 山本・小浜分類による癌浸潤様式2型。初診時, 生検を施行し, その直後よりUFT600mg/day投与開始した。入院後の7月11日カルボプラチン400mg投与し, 投与後約2週間で臨床的に著効と判定した。組織学的効果を確認するため生検を施行したところ大星・下里分類にてGrade IVであった。後継治療としてX線外照射40Gy施行, 6ヶ月経過後...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 4; no. 1; pp. 56 - 62
Main Authors 石部, 幸二, 柳澤, 繁孝, 平野, 公彦, 檀上, 隆昭, 松島, 凛太郎, 河野, 憲司, 清水, 正嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.06.1992
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Neo-adjuvant chemotherapyの一環として我々は口腔癌に対しUFTとプラチナ誘導体の併用療法を施行し, 良好な結果が得られた2例についてその概要を報告する。 症例1: 77歳女性, 右舌扁平上皮癌, T2N0M0, StageII, 山本・小浜分類による癌浸潤様式2型。初診時, 生検を施行し, その直後よりUFT600mg/day投与開始した。入院後の7月11日カルボプラチン400mg投与し, 投与後約2週間で臨床的に著効と判定した。組織学的効果を確認するため生検を施行したところ大星・下里分類にてGrade IVであった。後継治療としてX線外照射40Gy施行, 6ヶ月経過後の現在, 再発転移は認められていない。 症例2: 58歳男性, 右下顎歯肉扁平上皮癌, T2N1M0, Stage III, 山本・小浜分類による癌浸潤様式1型。11月6日入院下に生検を施行し, UFT600mg/dayを開始した。11月20日シスプラチン100mg投与し, 投与後12日には縮小率76%となった。さらに12月6日シスプラチン2回目投与し, 投与後約2週間で腫瘍は大部分消失した。12月20日右下顎歯肉腫瘍摘出術を施行し, その摘出物組織所見においては大星・下里分類Grade II bであった。術後3ヶ月経過後の現在, 腫瘍の再発転移は認められていない。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.4.56