日常歩行における下腿義足ソケット内圧の動的測定 携帯型歩行解析装置による検討

本研究では義足ソケットの適合判定をより客観的かつ定量的に行なう目的から,超薄型圧力センサーならびに本学で開発された携帯型歩行解析装置を使用し,下腿義足ソケット内各所の圧の動的変化を記録,解析した。 結果は脛骨先端にかかる圧は大きく,その傾向は立位時より歩行時に著明で,膝蓋腱部の圧を上回っていた。これは静的状態と動的状態においてソケット内でなんらかの異なった作用が生じていることを示すものである。また膝蓋腱部,脛骨先端の時間波形は2峰性を示しており,正常歩行の床反力の垂直方向成分のものと類似していた。 このようにPTの推量,患者の主観による適合判定では得られない事実が客観的,定量的に得られた。...

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Published in理学療法学 Vol. 13; no. 5; pp. 337 - 342
Main Authors 西, 昭次, 分木, ひとみ, 今井, 至, 牧川, 方昭, 七川, 歓次, 川村, 次郎, 堀尾, 裕幸, 長谷川, 利典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.08.1986
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Summary:本研究では義足ソケットの適合判定をより客観的かつ定量的に行なう目的から,超薄型圧力センサーならびに本学で開発された携帯型歩行解析装置を使用し,下腿義足ソケット内各所の圧の動的変化を記録,解析した。 結果は脛骨先端にかかる圧は大きく,その傾向は立位時より歩行時に著明で,膝蓋腱部の圧を上回っていた。これは静的状態と動的状態においてソケット内でなんらかの異なった作用が生じていることを示すものである。また膝蓋腱部,脛骨先端の時間波形は2峰性を示しており,正常歩行の床反力の垂直方向成分のものと類似していた。 このようにPTの推量,患者の主観による適合判定では得られない事実が客観的,定量的に得られた。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003125050